ANAマイルを最も効果的に貯めることが出来るクレジットカードとして「ANAマイルを貯める最強のクレジットカード。陸マイラーにおすすめの1枚」で「ANA VISA/マスター ワイドゴールドカード」を紹介しました。
年会費、マイルの還元率、付帯サービスなどのバランスが非常に優れたクレジットカードです。
ANAマイルを貯めるためのクレジットカードを探しているものの、どれにすればいいのか決めかねているようでしたら、まずは「ANA VISA/マスター ワイドゴールドカード」を選択してみてはいかがでしょうか。
ただ、このクレジットカードでANAマイルの還元率を最大化するためには、少しばかりの工夫と一手間が必要になります。
本記事では、「ANA VISA/マスター ワイドゴールドカード」でマイル還元率を最大限に高める方法を解説していきます。
尚、このクレジットカードは国際ブランドとして「VISA」「マスター」どちらでも、機能は同じです。
本記事内では毎回「VISA/マスター」と記載し続けるとややこしいので、ちょっとだけ省略して「ANA VISA ワイドゴールドカード」と記載していきますね。
また、ANA系のクレジットカードを作る際は、作るときにもANAマイルを貯める方法があります。
もし、これからクレジットカードを作るなら、以下の記事も読んでみてください。
ANAマイルの還元率を最大化するための基本条件
「ANA VISA ワイドゴールドカード」でANAマイル還元率を最大化するには、以下の3つの条件が必要になります。
- 前年度300万円以上を利用しステージV3になる
- マイ・ペイすリボを利用しリボ払いを発生させる
- ボーナスポイントをそのままANAマイルには交換しない
順に見ていきましょう。
ANAマイル還元率を最大化するための手順
通常ポイントをANAマイルに移行する
「ANA VISA ワイドゴールドカード」で決済をすると、1,000円利用ごとに三井住友カードのワールドプレゼントが1ポイント貯まります。
1ポイントは10マイルに交換できます。
- 1,000円利用 = 1ポイント = 10マイル(ANAマイル還元率1%)
ANA一般カードでは、ワールドプレゼント1ポイントは5マイルにしか交換できず、移行手数料6,000円を払うと、1ポイントを10マイルで交換することが出来るようになります。
このカードは移行手数料なしに1ポイントを10マイルとして交換することが出来るので、いい感じにマイルを貯めていくことができます。
この通常ポイントの還元率がいつでも1%です。
さらに、三井住友カードには「ボーナスポイント」と呼ばれるものがあります。
ボーナスポイントって何?
ボーナスポイントは、「マイ・ペイすリボ」サービスを利用した場合や、年間利用額に応じて、通常ポイントとは別に貯めることが出来る特別ポイントです。
マイ・ペイすリボ利用でボーナスポイントを貯める
「マイ・ペイすリボ」とは、月々の支払いをリボ払いにするサービスで、毎月の支払額を自分で自由に決められます。
月の支払い額を請求額よりも少なくすることで、支払いを翌月以降に先延ばしすることができ、先延ばしされた金額に対してリボ払い手数料を支払う仕組みです。
簡単にいうと、手数料を払って、カード決済した費用の支払いをちょっとだけ待ってもらうようなものです。
この「マイ・ペイすリボ」でリボ払い手数料を1円以上発生させることで、その月に貯まる予定の通常ポイントと、同じ分のボーナスポイントを貯めることができます。
請求額に対して、毎月の支払金額がちょっとだけ足りないように調整することで、数円単位のリボ払い手数料を発生させてボーナスポイントを稼げるのです。
ちょっと分かりづらいですかね?もう少し分かりやすいように具体例で説明してみましょう。
例えば次回支払予定の請求額が10万円だったとしましょう。
このカードの基本マイル還元率は1%なので、クレジットカード決済で10万円を利用すると、通常ボーナスが100ポイント貯まります。
この10万円を一括で精算すると、貯めることができるポイントはこの100ポイントのみです。
ところが、10万円を全部支払わずに99,000円だけ支払って、残り1,000円は翌月の支払いということに設定します。
そうすると、この1,000円に対してリボ払い手数料が発生します。
『手数料を払わないといけないなんてイヤだな...じゃ、1,000円残さずに全額払ってしまえば余分なお金かからないじゃん。』
と正常な人なら思うかもしれませんが、実は1,000円にかかる手数料は13円程度です。
この13円をリボ払い手数料として払うことで、ボーナスポイントが100ポイントもらえます。
これはANAマイルに単純に交換すると300マイルです。
13円で300マイルが手に入るので、1マイル=0.04円と、非常に効率的にマイルを貯めることができます。
そう考えると、なかなかお得ですよね?
「マイ・ペイすリボ」を利用して、毎月最低限の手数料でボーナスポイントを獲得する方法は後ほど詳しく解説しますね。
ご利用代金のご請求月に「リボ払い手数料」のご請求があることが条件となります。「リボ払い手数料」のご請求がある月のカードご利用代金について、通常のワールドプレゼントのポイントに加え、同じポイント数のボーナスポイントをプレゼントします。(一部の提携カード・法人カードなどは対象となりません。)
新規にカードをご利用の場合、リボ払い手数料のご請求があるのは2回目以降のお支払い月です。なお、お支払い金額確定後の全額繰上返済により発生したリボ払い手数料は、本サービスの対象となりません。一部の提携カードは本サービスの対象となりません。
年間利用実績に応じてボーナスポイントが貯まる
さらに、クレジットカードの年間利用額に応じてもらえるボーナスポイントがあります。
前年度の年間利用額に応じて以下のようにステータスが決定され、ステージ毎にボーナスポイントがもらえます。
- 50万円以上100万円未満でステージV1
- 100万円以上300万円未満でステージV2
- 300万円以上でステージV3
詳細は以下のとおりです。
前年度利用額 | ステージ | ボーナスポイント |
---|---|---|
300万円以上 | V3 | 50万円で300ポイント。 以降10万円ごとに60ポイント |
100万円以上300万円未満 | V2 | 50万円で150ポイント。 以降10万円ごとに30ポイント |
50万円以上100万円未満 | V1 | 50万円で100ポイント。 以降10万円ごとに20ポイント |
ステージV3になると、50万円の利用時点で300ポイントを獲得することができ、以降10万円利用するごとに60ポイントのボーナスポイントを獲得できます。
注意点として、これは前年度の利用実績に基づきますので、「ANA VISA ワイドゴールドカード」を使用し始めた初年度には適用されません。
ボーナスポイントのマイル移行方法によって最終還元率が決定
通常ポイントは1ポイント=10マイルとして還元率1%になりますが、ボーナスポイントは直接ANAマイルに移行すると1ポイント=3マイルでしか交換ができません。
もちろんそれでも、1,000円利用することで以下の通りの13マイルが貯まるので、還元率1.3%となります。
- 1,000円利用 = 通常ポイント1ポイント = 10マイル(還元率1%)
- 1,000円利用 = ボーナスポイント1ポイント = 3マイル(還元率0.3%)
しかし、このボーナスポイントを直接ANAマイルに移行せず、他の交換ルートを使うことでANAマイル還元率を大きく高めることができます。
ソラチカルートを使用することでANAマイル還元率1.72%
2018年3月31日まではソラチカルートを使用してボーナスポイントを交換することで、通常ではボーナス1ポイント=3マイルになるところを、ボーナス1ポイント=4.5マイルとマイル獲得率を1.5倍にすることができました。
以下の通りとなります。
- ボーナスポイント1,000 → PeXポイント50,000(100%)
- PeXポイント50,000 → メトロポイント5,000(100%)
- メトロポイント5,000 → ANAマイル4,500(90%)
手間を掛けることで貯まるマイル数を増やすのか、手間を掛けずに気軽にマイルを手に入れるかは好みの問題ですね。
このソラチカルートのケースではANAマイルの還元率は1.72%となります。
例えば月に10万円のクレジット決済を行うと、ワールドプレゼントは100ポイントとなりますので、貯まるANAマイル数は以下の通りとなります。
ボーナス1ポイントが4.5マイルになる計算です。
- 通常のワールドポイント:100ポイント=1,000マイル
- リボ利用によるボーナスポイント:100ポイント=450マイル
- ステージV3ランクボーナスポイント:60ポイント=270マイル
合計1,720マイル(1.72%)です。
LINEルートを使用することでANAマイル還元率1.648%
2018年4月以降のソラチカルートに変わる交換ルートです。
最終的にはソラチカルートに合流しますが、2018年3月31日まで使用していたソラチカルートとは中身が異なるため、ここでは「LINEルート」という呼び名で説明します。
このLINEルートでは、「ANA VISA ワイドゴールドカード」で貯めたボーナスポイントを、一度LINEポイントに交換します。
その上でさらに、LINEポイントをメトロポイントに交換してからANAマイルに交換するルートになります。
4回も交換するので結構面倒です。説明していても面倒な感じのルートです。
LINEルートではボーナス1ポイント=4.05マイルで交換できます。
以下の通りとなります。
- ボーナスポイント1,000 → Gポイント5,000(100%)
- Gポイント5,000 → LINEポイント5,000(100%)
- LINEポイント5,000 → メトロポイント5,000(90%)
- メトロポイント4,500 → ANAマイル4,050(90%)
LINEルートではANAマイルの還元率は1.648%となります。
例えば月に10万円のクレジット決済を行うと、ワールドプレゼントは100ポイントとなりますので、貯まるANAマイル数は以下の通りとなります。
ボーナス1ポイントが4.05マイルになる計算です。
- 通常のワールドポイント:100ポイント=1,000マイル
- リボ利用によるボーナスポイント:100ポイント=405マイル
- ステージV3ランクボーナスポイント:60ポイント=243マイル
合計1,648マイル(1.684%)です。
ただし、LINEルートは厳密には上記の通りの交換率にはなりません。詳しくは、以下の記事をご参照ください。
nimocaルートを使用することでANAマイル還元率1.56%
LINEルートよりも閉鎖になるリスクが少なく、交換回数も少ないため、確実で安心の交換ルートです。
このnimocaルートでは、「ANA VISA ワイドゴールドカード」で貯めたボーナスポイントを、まず九州系交通ポイントとなるnimocaポイントに交換します。
その上でnimocaポイントをANAマイルに交換するルートです。
nimocaルートではボーナス1ポイント=3.5マイルで交換できます。
以下の通りとなります。
- ボーナスポイント1,000 → PeXポイント50,000(100%)
- PeXポイント50,000 → nimocaポイント5,000(100%)
- nimocaポイント5,000 → ANAマイル3,500(70%)
先に紹介したLINEルートよりも交換数が少なくてシンプルです。
nimocaルートではANAマイルの還元率は1.56%となります。
例えば月に10万円のクレジット決済を行うと、ワールドプレゼントは100ポイントとなりますので、貯まるANAマイル数は以下の通りとなります。
ボーナス1ポイントが3.5マイルになる計算です。
- 通常のワールドポイント:100ポイント=1,000マイル
- リボ利用によるボーナスポイント:100ポイント=350マイル
- ステージV3ランクボーナスポイント:60ポイント=210マイル
合計1,560マイル(1.56%)です。
nimocaルートを使うには、「ANA VISA nimocaカード」というANAカードが必要になります。
しかし、現状ではnimocaポイントからANAマイルへの交換は、一部地域にある交換機を使用しなければならず、ネット上での交換には対応できていないのが難点です。
交換機設置場所はこちらの公式サイトをご覧ください。
クレジットカード利用額と各ルートの組み合わせ
ここまで見てきた、ボーナスポイントの交換ルートの違いによる、マイル還元率をまとめると以下の通りとなります。
ソラチカルート | ANAマイル還元率1.72% |
---|---|
LINEルート | ANAマイル還元率1.648% |
nimocaルート | ANAマイル還元率1.56% |
しかしながら、これは前年度のクレジットカードの利用額が年間300万円を超え、ステージV3になっているという前提になっています。
クレジットカード決済で年間300万円以上利用するというのは、なかなかハードルが高くありませんか?
そこで、クレジットカードの利用額が年間300万円以下の場合では、還元率がどれぐらいになるのか気になる方もいるでしょう。
年間利用額によるステージ設定と、交換ルート毎のANAマイル還元率をまとめると以下の通りとなります。
尚、わざわざ数%の違いで別の交換ルートを使うのも面倒だという意見もありますので、ボーナスポイントを直接ANAマイルに交換した場合も含めてまとめました。
年間利用額300万円以上(ステージV3) | ||
---|---|---|
ソラチカルート | 1.72% | 10万円利用で1,720マイル |
LINEルート | 1.648% | 10万円利用で1,648マイル |
nimocaルート | 1.56% | 10万円利用で1,560マイル |
直接マイル交換 | 1.48% | 10万円利用で1,480マイル |
年間利用額100万円以上(ステージV2) | ||
ソラチカルート | 1.585% | 10万円利用で1,585マイル |
LINEルート | 1.526% | 10万円利用で1,526マイル |
nimocaルート | 1.455% | 10万円利用で1,455マイル |
直接マイル交換 | 1.39% | 10万円利用で1,390マイル |
年間利用額50万円以上(ステージV1) | ||
ソラチカルート | 1.54% | 10万円利用で1,540マイル |
LINEルート | 1.486% | 10万円利用で1,486マイル |
nimocaルート | 1.42% | 10万円利用で1,420マイル |
直接マイル交換 | 1.36% | 10万円利用で1,360マイル |
ステージV3の状態でソラチカルートを使った場合と、ステージV1で交換ルートを利用しない場合で、年間で貯まるマイル数の差が4,320マイルです。(月10万のカード利用の場合)
年間100万円利用のモデルケース
例としてクレジットカードで月9万円の決済、年間で108万円を決済した例を見てみましょう。
通常ポイントが年間で1,080ポイント貯まり、マイ・ペイすリボによるボーナスポイントも年間で1,080ポイント貯まります。
さらに、年間100万円超の決済を続けていくと、年間利用額によるステージがV2となり、決済額が50万円に到達した時点でボーナスポイントが150ポイント貯まり、以降10万円毎に30ポイントが貯まります。
つまり年間利用額によるボーナスポイントが合計で300ポイント貯まります。
まとめると以下のとおりです。
- 年間の通常ポイント:1,080ポイント
- 年間のボーナスポイント(マイ・ペイすリボ):1,080ポイント
- 年間のボーナスポイント(ステージV2):300ポイント
まず通常ポイントとして獲得した1,080ポイントは、1ポイント10マイルですので10,800マイルになります。
そしてボーナスポイントとして獲得した計1,380ポイントは、例えばLINEルートを使用したとすると5,589マイルになります。
つまり、クレジットカードの利用だけで年間合計16,389マイルを貯めることができます。
国内であれば東京⇔札幌往復や、東京⇔福岡往復の特典航空券がレギュラーシーズンで15,000マイルとなり、海外であればレギュラーシーズンのソウルにエコノミークラスで行くことができます。
マイ・ペイすリボの手数料を1円にしてボーナスポイントをGETする方法
とりあえず結論
これ以降、非常に細かい数字の話になります。そこまで理解しなくても良いから、結局どうすればいいの?という方は以下のことだけ覚えておきましょう。
- 初回のみリボ払い残金を1,500円以上にしておく
- 2回目以降はリボ払い残金を100円以上にしておく
初回だ2回目だというもの面倒な方は、毎月100円以上をリボ払い残金として残して、それ以外は繰上げ返済手続きをしてください。
さてここからが詳細です。
最高還元率を達成するためには年間利用額が300万円以上というハードルと合わせて、「マイ・ペイすリボ」というサービスを使って、手数料を発生させる必要があると説明しました。
リボ払い手数料は年率15%ですので、大した額ではありません。
1日にすると、0.04%程度です。
とはいえ、出来るだけリボ払い手数料は少なくしておきたいです。
ボーナスポイントを獲得できる条件は「リボ払い手数料1円以上の発生」ですので、可能な限り1円程度することが出来ると理想的ですね。
マイ・ペイすリボの基本情報
まず、三井住友カードのマイ・ペイすリボの基本情報からです。
- ANA VISA ワイドゴールドカードの締め日は毎月15日締め
- 支払日は翌月の10日(休日の場合は翌営業日)
- 初回支払い時はリボ払い手数料が発生しない
- リボ払いに対する手数料は年利15%(≒日利0.041%)
この基本を踏まえた上で、支払い手数料を1円にする方法を見ていきましょう。
リボ払い手数料発生の仕組み
リボ払い手数料はどのように計算されて発生するのでしょうか?
三井住友カードは支払日を26日に変更することが出来るカードが存在するため、画像内では「26日」という表記となっていますが、ANA VISA ワイドゴールドカードは支払日を10日から変更することが出来ません。
上図の「26日」は「10日」として読み替えてください。
重要なのは、赤枠で囲った部分となります。
手数料計算方法(10月1日~10月31日分)
5万円×15.0%×26日÷365日※+4万円×15.0%×5日÷365日
(リボ払い手数料は前回の締切日の翌日から今回の締切日までの分を後払いでいただきます。)
初回支払い時のリボ払い手数料計算
まず、初回支払い時はリボ払いの手数料が発生しません。そして、初回にリボ払いをした残金が翌月のリボ払い対象となり手数料計算の対象となります。ですので、この時点で手数料が最低金額になるように調整を行う必要があります。
分かりづらいかもしれませんので、具体的な例で見ていきましょう。
例えば、以下のような例として計算を行ってみます。
- 前提としてANA VISA ワイドゴールドカードの使い始めは2018年1月18日とする
- 1月18日以降の最初の締め日は2月15日
- 2月15日までに使用した分が2月請求分となる
- 2月請求分の支払日は翌3月10日である(初回支払い)
- 偶然にも2018年3月10日は土曜日のため、実際の支払日は翌営業日の3月12日となります
- 1月18日にカードを手に入れてから2月15日までの期間で、クレジットカード決済を98,250円利用したものとする
上図の緑色の矢印線が2月請求分に該当するクレジットカード使用期間です。
今回はこの期間に98,750円を利用したとします。
支払金額確定の連絡は毎月26日頃にメールで通知が来ます。今回のケースでは2月26日です。
そのメール連絡を確認したらVpassへログインして、リボ払い金額の調整を行います。
リボ払いの金額は1,000円単位で調整を行うことが出来ます。今回の利用金額98,250円に対して、リボ払い金額を調整して「97,000円」の支払いにしてください。
そうすると3月12日の支払日では97,000円を支払い、1,250円が残金として残ります。
初回リボ払いの手数料は発生しませんので、この12日の支払い時点では手数料は一切発生しません。
つまりこの初回分に関してはボーナスポイントは発生しません。
詳しくは後述いたしますが、間違って支払金額を「98,000円」にしないようにしてください。98,000円を支払って残金が250円になってしまうと2回目の支払いでも手数料が発生せず、ボーナスポイントも付かないということになってしまいます。
マイ・ペイすリボの初期設定額は低めにしておきましょう。
2回目支払い時のリボ払い手数料計算
次に、この3月12日は次の3月分請求の期間に入っています。3月分請求の期間は前回締め日である2月15日の翌日から3月15日までの1ヶ月間です。以下の図の黄色の線の部分です。
では、リボ払い手数料の対象期間はいつからいつまでになるでしょうか?
97,000円を支払ってリボ残金1,250円が発生したのが3月12日です。リボ払い手数料はこの翌日から年率15%でカウントされていきます。
そして締め日が3月15日ですので、3月13日~3月15日の3日間がリボ払い手数料の対象期間となります。
上図の青い線の部分がリボ払い手数料の計算期間となります。
前月に98,250円を利用し3月12日支払日で97,000円を支払っていますので、翌3月13日時点で残金が1,250円となっています。この1,250円に対して3日分のリボ払い手数料が発生します。
1,250円に対して3日分のリボ払い手数料を求めると約2円です。4月10日の2回目の支払日に2円の支払手数料が発生し、無事ボーナスポイントがもらえます。
では、3回目以降はどうするか?
さらに翌月請求分である4月分からは、1ヶ月間分の丸々金利が発生します。
- 1ヶ月28日の月:年利15% ÷ 365日/年 × 28日 = 1.15%
- 1ヶ月29日の月:年利15% ÷ 365日/年 × 29日 = 1.19%
- 1ヶ月30日の月:年利15% ÷ 365日/年 × 30日 = 1.23%
- 1ヶ月31日の月:年利15% ÷ 365日/年 × 31日 = 1.27%
3回目の支払日は5月10日となり、対象期間は3月16日~4月15日までの31日間となりますので、金利は1.27%です。
この赤い部分が5月10日支払いとなる3回目支払い分の金利計算対象期間です。
1.27%の金利で最低1円の手数料を発生させるためには、
となればいいので、4月10日支払い残金は79円残すと概ね発生手数料が1円となります。
結局、目安としてどれぐらいの残金を残すといい感じ?
毎月毎月、カレンダーを見てこの計算をしながら、リボ払い金額を調整するのはなかなか大変です。
しかも、リボ払いの金額調整は1,000円単位でしか出来ませんので、ちょうど残金を79円にすることは現実的には難しいでしょう。
実際に発生する手数料が1円でも3円でも、負担しなければいけない費用に大きな違いはありませんので、毎月少しずつ余裕を持って残金を残しておくのが賢明です。
目安は以下の通りとなります。
- 初回のみリボ払い残金を1,500円以上にしておく
- 2回目以降はリボ払い残金を100円以上にしておく
参考までに、手数料を最低限1円にするための計算式は以下の通りとなります。
つまり、1ヶ月の日数毎の最低残金は以下の通りとなります。
- 1ヶ月28日の月:手数料1円 ÷ 28日 × 365日/年 ÷ 年利15% ≒ 87円
- 1ヶ月29日の月:手数料1円 ÷ 29日 × 365日/年 ÷ 年利15% ≒ 84円
- 1ヶ月30日の月:手数料1円 ÷ 30日 × 365日/年 ÷ 年利15% ≒ 82円
- 1ヶ月31日の月:手数料1円 ÷ 31日 × 365日/年 ÷ 年利15% ≒ 79円
100円
キャンセル・返品ですべてが台無しに!
ここまで見てきたように、緻密な計算を元にANAマイル最大還元率が実現出来ます。
ところが、手間暇かけて細かい調整を重ねたにも関わらず、全ての計算を狂わしてしまう要素が「キャンセル」や「返品」に伴う返金手続きです。
「 マイ・ペイすリボ」とは支払い方法をリボ払いにするサービスですが、このサービスを利用している場合、キャンセル・返品などでクレジットカードに返金が行われた場合、この返金も「リボ返金」となります。
リボ返金とは、リボ払いの残高が残っている場合に、返金された金額をそこに充当してくれるありがたいサービスです。
少しでもリボ残金を減らして利用者の手数料負担額が少なくなるシステムですが、毎月のリボ残高を100円単位で調整している場合は簡単にリボ残高がゼロ円に戻ってしまいます。
そうなるとリボ払い手数料が発生せず、ボーナスポイントが付与されなくなります。
私は昨年11月に出張でヨーロッパに行きました。
その際、街中の免税店でお土産を買ったのですが、買うときには免税されず、後ほど免税手続きをしなければいけませんでした。
手続自体は簡単で、免税店でもらった書類に必要事項を記入し、レシートを添付して、空港にある免税BOXに投函するだけです。
日本よりもお高めの消費税分が戻ってくるならやっておこうと軽い気持ちで手続きしたのですが、2ヶ月後、年明けた1月にお土産を購入したクレジットカードに「返金」されてきました。
お分かりですね?
キャンセル・返品発生時の対処方法
前述の通り、キャンセルや返品が発生してしまった月のリボ払いはゼロ円になる可能性が極めて高いため、この月だけはボーナスポイントの獲得は諦めざるを得ません。
そうなると、一旦リボ払いが終わってしまいますので、翌月のリボ払いは「初回」扱いとなります。
- 初回支払い時はリボ払い手数料が発生しない
この原則に基づき、次回はリボ払いを設定しても手数料が発生しない、つまりボーナスポイントが獲得出来ません。
ただ、「初回」扱いということは、ここまで見てきた最初のリボ払いの時と同様のことをすれば良いのです。
そう、次のリボ払い残金の設定を1,500円以上にすれば大丈夫です。
- 初回のみリボ払い残金を1,500円以上にしておく
- 2回目以降はリボ払い残金を100円以上にしておく
まとめ
あまり細かく計算を始めたら、毎月毎月大変になってしまいます。
実際にやってみると分かりますが、結局1,000円単位でしか調整が出来ませんので、リボ残金は100円~1,099円のどこかになります。
リボ払い残金が100円を下回らないようにだけ気をつけて設定しておけば十分だと思います。
それよりも、これから「ANA VISA ワイドゴールドカード」を作るようでしたら、くれぐれも、ANAカード作成時のANAマイル獲得を忘れないようにしてください。
これこそ、作る時一度きりしか出来ないことですからね。